思い出せない

と驚喜しつつそうリアクションするわたしに、
いや、それは売り物って言うよりも、出来ればこのぼくに・・・、あなた宛にプレゼントさせてくれませんか?
なんか自分、勝手に作っちゃったもんですから、あなたの許可もなしに。
あの、いや、もし・・・、よかったらでいいんですが?」
えっ?
こ、このわ、わたしに?
ほ、本当に?」
なんかもうタイミングを逃しちゃったっていうか、もうこのまま話す必要もないんじゃないか?なんて勝手に思っちゃってたもんだから」
あ。

そ、そうなんだ。
で、ヒカルさんって・・・、それってやっぱお母さんがあの・・・、俺が中学の時に出てった、あの時に産んだ子供ってこと?」
・・・。
うん。
そうね。
あの頃はあたしもどうかしててねぇ、まあ当時はアンタのお父さんにもね」
お、お父さんって?」
うん・・・。

お父さんにも当時、あたし以外に他にオンナの人がいてね」
ええ?
そ、そうだったの?」
と自分の父親の浮気話までもがいきなりの初耳で・・・、と、さらにその動揺を加速させるホンジョウ。
うん。
お父さんもね・・・、そのオンナの人との間に子供が出来ちゃって。
ああ、それはあたしが出て行く前の話なんだけど」
はあ?」
い、いや、ちょ、ちょっと、それって・・・。
いきなり追加でもうひとり弟か妹がいるってこと?

って、ど、どうなってるんだこの家庭は?

そう、オンナの子で名前は・・・、何だっけ?
ちょっと今は思い出せないんだけど、そう、すごく優秀な子でなんでも東大卒業したって聞いたよ」
いや、東大はいいんだけどさあ。
そ、それで・・・、それでその仕返しに、お、お母さんもってこと?」
ああ。

まあ父さんは真面目な人だったから、多分魔が差したのね。
そのオンナの人ってのは父さんが昔つき合ってた彼女だったらしくて、官僚かなんかの・・・、また真面目で優秀な人と結婚したらしくて。
でもどうも子供には恵まれなかったみたいでね。
それからどうも、なんのはずみだったかその後にお父さんとの間で、たった1度だけ過ちがあったらしくて。
それでまたいきなりその娘が出来ちゃったみたいなんだけど。
まあ、彼女にしてみればどうしてもその娘を産みたかったんだろうね。

そう父さんに言ってたらしくって。
それからそのまま向こうの旦那さんはそれを知らないままにその娘を育てたって。
お父さんがわざわざそうあたしに謝ってきて。
それをまた、そんなことお父さんもあたしに言わなきゃそれで済んだものを。
あたしもその時は凄いショックで。
いきなりそんなこと聞かされて、なんか気が動転しちゃってたのね。
それからすぐ、あたしもいきなり家を出ちゃったのよ」